テレビがつまらなくなった理由の一つにテレビ局の経費削減がある。「番組なんてどうでもいい」──ただただコストカットに夢中なのである。
「低予算のドラマなら、メゾネットタイプの部屋一室を借り切って、撮影の舞台にします。上階と下階で、それぞれ別設定のシーンが撮れるから安上がりです。
また、某キー局の本社には、作り物の本を並べた書斎みたいな部屋や、刑事ものの集会が行なわれるような大きなホールもあって、そこを色んな番組で何度も使っている。“どうせ視聴者にはバレないよ”が合い言葉です」(ドラマ制作会社社員)
最近、各局がこぞって放送するのは、番組内でスポンサー企業の人気商品ランキングや工場視察、製品開発の裏側などをレポートするバラエティ番組だ。
先鞭をつけたのはテレ朝の『お願い!ランキング』や『シルシルミシル』。後発組としてはフジ『超潜入!リアルスコープハイパー』などが挙げられる。
「“テレ朝の大発明”と業界内では評価の高いコンテンツ。番組内では中立的な立場で各社の商品などを紹介しているように見えますが、悪口は絶対にいわないという暗黙のルールがある。
CMのように数十秒という枠ではなく、ひとつのコーナーとして紹介するから、企業側にとって宣伝効果はハンパじゃない。気を良くしたスポンサーが自局に広告出稿を出す際の呼び水の役割を果たしている」(別のキー局編成局員)
※週刊ポスト2014年2月28日号