1926年創刊のカメラ専門誌『アサヒカメラ』。戦前から最先端の写真機材や撮影技術をカメラ愛好家たちに紹介してきた。そんな“老舗中の老舗専門誌”がにわかに脚光を浴びている。ヌード特集を掲載する号が異例の売り上げを見せているのだ。
「ヌード特集号の売り上げは通常の2~3割増で近年はさらに伸びています。昨年の号は普段の3割増の部数を刷ったのですが、ネット書店ではすぐに完売。秋に発売したヌード別冊号は重版がかかりました」(『アサヒカメラ』編集長・勝又ひろし氏)
その異例の売り上げに、他のカメラ専門誌も追従してきた。なぜそこまで「専門誌のヌード」がうけるのか。
「団塊世代が引退後にカメラを趣味として活動するうち、ヌードに興味を抱くケースは少なくありません。昨今はアマチュア向けのヌード撮影会も盛況です。彼らにとって、うちのヌード特集は、専門誌ならではの撮影法などが勉強になるのでしょう。純粋に美しいヌード鑑賞を目的とした読者と相乗効果で実売が上がっています」(勝又氏)
違った意味で「実用」が求められての結果。アートな作品から過激なものまで、ヌード表現は無限であるということを感じさせてくれる。
※週刊ポスト2014年3月7日号