日米関係の改善が期待される米・オバマ大統領の来日が4月に予定されているが、「米国政府の不信感は極限まで募っている」と国務省関係者はいう。
「日本政府要人の失言は呆れるばかり。極めつきは萩生田(はぎゅうだ)光一・総裁特別補佐の『民主党政権だから、オバマ大統領だから(靖国批判を)言う』との発言です。“共和党政権を望んでいる”と言ったも同然で、オバマ大統領の面目は丸潰れですよ。『何の実りも得られない日本にどうして行くのか』『訪日を取りやめろ』といった声が飛び交っています」
日米関係はいま戦後最悪の水準にある。オバマ訪日とともに、外務省関係者が気を揉むのは「キャロライン・ケネディ駐日大使召還」だ。外務省関係者が説明する。
「オバマ大統領が、大統領選の功労者で名門ケネディ家の長女を駐日大使にしたのは、同盟国の日本なら、政治未経験のキャロライン氏でも大過なく務めることができると考えたからです」
しかし、着任後の日本では、オバマ政権批判が吹き荒れた。安倍首相の靖国参拝に対して、米大使館は「失望した」と発表したが、それに対し側近たちが反発。大使館側の不信をかった。
「このままではキャロライン氏の失点にもなりかねない。大使館や国務省には、『安倍政権がこれ以上米国批判を続けるなら、キャロライン氏を一時帰国させ、安倍政権に反省を促すべきだ』という声がある。そうなれば、『ケネディ家への冒涜』が世界中に喧伝されてしまう、と外務省幹部は非常に心配しています」(同前)
こうしてビビりまくる日本側をよそに米国では日本バッシングが鳴り止まない。外務省関係者が愕然とした「数字」がある。
外務省は昨年末、米国で実施した日本に関する世論調査の結果を発表した(18歳以上の1000人が対象)。現在の日米安保条約を「維持するべき」と答えた人は67%で、昨年と比べて22ポイントの急落。この設問ができた1996年以来、最低だった。調査時期は昨夏の7~8月。「靖国参拝を経た現在はもっと低落しているはず」と外務省関係者はいう。
※週刊ポスト2014年3月14日号