2月11日付で朝日新聞は「売れるから『嫌中憎韓』」という特集記事を掲載した。朝日は、「嫌中憎韓」が出版界のトレンドで、まるで週刊誌が中韓に対する国民の悪感情を煽っているかのように報じたのである。
それに対し本誌は、中韓との外交関係はいまや大きな問題で、ジャーナリズムとして扱うのは当然であり、そもそも従軍慰安婦問題にせよ、靖国問題にせよ、政治問題化したきっかけは朝日が作ったとし、中韓の反日感情を焚きつけてエスカレートさせ、日本人を「嫌中憎韓」に向けさせたと反論した。
この記事は大きな反響を呼んだが、中で特に多かったのは、朝日新聞が“日本の問題点”を海外に宣伝し、海外から批判が集まるとそれを国内で再利用する、いわゆる「ご注進報道」に対する怒りの声である。
「ご注進報道」は中韓だけに限らない。最近の朝日がご注進先として手を広げているのが、アメリカだ。
昨年7月、麻生太郎・副総理が憲法改正について「ナチスの手口を学んだら」と発言したことに対し、朝日は8月1日付紙面から、連日にわたって非難報道を繰り広げていく。社説や天声人語まで、数日の間に10本以上の記事が載り、投書欄にも麻生批判の「声」が多数掲載された。
もちろん、麻生氏の政治家としての軽率さや歴史認識の誤認は批判されてしかるべきで、本誌も当時の記事でそう指摘している。ここで問題にするのは、このときの展開である。