厚生労働省の報告書によれば、日本人の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患しているという。だが、意外とアレルギーについての正しい情報を知っている人は少ないのでは?今回、厚生労働省の花粉症対策などを担当している医学博士の大久保公裕さんにアレルギーのウソ・ホントについて聞いてみた。
小さいときからずっとハウスダストに苦しんでいる人も多い。部屋には人形などのダニがつきやすいものを置かず、こまめに掃除もしているが、一向に治る気配がないという人も。一度発症したアレルギーは、治らないのか?
「生活環境を改善することで、アレルギーを治す、改善させることは充分に可能です」(大久保さん・以下「」内同)
例えば、保存料などの添加物が入った加工食品ばかりを食べていると、腸内細菌のバランスが崩れて免疫力を低下させ、その結果、アレルギーが発症することもあるのだとか。
「1日30品目の摂取を心がけるといいでしょう。ただし、食事で体質を変えるには5~10年はかかるので、根気よく続けることが大切です」
また、ダニなど日常的に接しがちなものより、スギ花粉など期間限定のものほど、治りやすい傾向があるという。
幼い子供の中には、花粉症になったと思ったら、アトピーが完治したというケースも。成長によってアレルギーが変化するのか?
「これは“アレルギーマーチ”という症状でしょう」
アレルギーマーチとは、成長とともにアレルギーが変化していく現象。例えば生後間もなくアトピー性皮膚炎になり、小学校に上がるまでに気管支ぜんそく、さらに成長するとアレルギー性鼻炎や花粉症になる…といった具合だ。もともと抗体を作りやすいアレルギー体質の子供が、口呼吸(1才くらいまで)から鼻呼吸に変わるなど、体や生活環境の変化を受けると、アレルギーも変化するといわれている。
「新しく発症した場合、以前のアレルギーが完治するか、2つ以上合併するかは、アレルギー症状の重症度によります。必ずしも前のアレルギーがよくなるわけではありません」
※女性セブン2014年3月20日号