伝説の深夜番組『オールナイトフジ』がきっかけとなった女子大生ブームから30年。女子大生はどのように様変わりしたのだろうか? 博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平氏が関東1都6県に在住の女子大生200人(4年制、女子大、短大、女子短大を含む)にインターネットでアンケート調査を実施した。まずは3つの質問の結果を見てみよう。
■「彼氏はいますか?」→いる:37.5%/いない:62.5%
■「デート代はどちらが払いますか?」→彼氏:10.6%/どちらかといえば彼氏:55.3%/完全に割り勘:31.9%/どちらかといえば自分:2.1%
■「『女子大生』あることで得したことはありますか?」→ある:51.5%/ない:48.5%
そして、原田氏はこの結果を踏まえ、昨今の大学生の女子大生像を以下のように解説する。
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彼氏いない率、セックス未経験率がともに6割という今回の調査結果は、政府などの調査データや私たちの研究ともほぼ合致します。女子大生が恋愛できない背景には、フェイスブックやLINEといったソーシャルメディアの普及が大きく影響しています。
サークルでもバイト先でも、一度LINEで連絡先を交換したら、人間関係はずっと途切れることがない。友達の友達は皆友達という、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)が終わるいま、ネットを通じてそういう人間関係が容易に作られる時代になりました。
そうしたなかで、いざ恋愛しようとすると、周囲に情報が筒抜けになってしまう。男の子ががつがつ口説いていて、相手の女の子がぽろっと友達に、「しつこい」とでも言ったら、それだけでLINEなんかを通じて情報が回ってしまうので、男の子も強くアプローチできない。周りから「イタい」と思われたくないから。「ソーシャルメディア村社会」のなかで、友達から恋人に突き抜けるのが難しくなっています。
あとは単純におカネがありません。東京私大教連の調査によれば、いまや地方出身の私大生は平均、1日1000円で過ごしている。調査が開始された1986年より低い金額。1日1000円では、居酒屋にも行けません。大学生活とバイトで手一杯で、恋愛にまで手が回らない。
デート代は「どちらかといえば彼氏が払う」が多い結果になっていますが、うちの研究所にいる元アイドルの女子大生の子に聞いたら「彼氏が数百円多く出す」と、そんな世界です。おごられた経験がないので、私が若者研究で彼女たちに会う時に、ファミレスでお茶を一杯飲むとかでも、「ほんとにありがとうございます」とか言う子が年々増えています。
彼女たちに「どんな人と恋愛したい?」と聞くと、よく出てくるのは、「フツーの人」。詳しく聞いてみると、完全な平均ではなく、平均よりちょっと上。高級なワインは敬遠して、プレミアム系のビールを求める感覚です。
※週刊ポスト2014年3月21日号