韓国人には特有の人間関係があるといわれる。韓国・済州島生まれの評論家・呉善花氏がその中でも金銭トラブルの実態を指摘する。
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韓国では人と親しくなるとよく金銭トラブルが起きる。金を無心するのに心理的抵抗が少なく、「貸さない」と言ったらどれだけ悪口を言われるかわからない。前近代社会では相互扶助として機能する慣習だったが、今や相互不信のもととなっている。
詐欺事件は2010年には20万3799件にのぼり、日本の3万4602件の5.9倍。人口当たりで15倍になる。
私自身、来日前に個人レッスンを受けた日本語学校の教師にお金を騙し取られた経験がある。「契」と呼ばれる相互扶助のためのグループ貯金に出資するよう勧められ、渋々参加したところ最終的にその教師は私が受け取るべきお金を一切渡さなかった。こんなケースが日常茶飯事で私は泣き寝入りするしかなかった。
日本に来てしばらくの間、私は親しくなった友人・知人がお金の貸し借りの話を持ち出さないことが不思議でならなかったほどである。
※SAPIO2014年4月号