NHK職員の待遇は厚く、2013年度予算から試算した職員の平均年収は約1177万円もある(給与支出総額を職員数で割った数字)。
恵まれているのは給与水準ばかりではない。NHK職員は番組制作にも資金を使い放題だ。年間の番組制作費は約3091億円。民放キー局の制作費はフジテレビ約993億円、TBS約988億円程度だから3倍以上の潤沢さ(いずれも2012年度の数字)。
NHKの「平成25年度 収支予算と事業計画の説明資料」によると、番組1本当たりの制作費の目安として『NHKスペシャル』『ためしてガッテン』などの情報・ドキュメンタリーが60万~3790万円。『大河ドラマ』『BS時代劇』などのドラマが990万~5830万円とある。
「ドキュメンタリー1本に数千万円の予算というのは民放とは比較にならない規模」とキー局幹部は溜息をつく。 受信料収入に物を言わせた特権は報道現場でも「記者貴族」を生む。
「部数減に各紙が苦しんでいますから、全国紙の記者でも地方に行けばマイカー取材が当たり前です。
しかしNHKの記者は地方でもちょっとした事件が起きればタクシーを貸し切って動いている。在阪のNHK社会部記者が『多い時はタクシー代が月に数十万円になる』と言っていたことがありますが、このコスト感覚は他のメディアにはない」(大手紙社会部記者)
※SAPIO2014年4月号