日本では少子化問題に直面しているが、一方で、すでに少子化対策できちんと成果を上げている国もある。
フランスは1995年には出生率が1.65人まで下がったが、現在は2人を超える回復を見せた。『なぜフランスでは子供が増えるのか』(講談社現代新書)の著者でフランス在住のエッセイスト・中島さおりさんが理由を語る。
「フランスでは、子供を預けた場合や、ベビーシッターを使った場合に、所得税が減税されます。子育て関連サービスに支払った金額の半額が所得税から控除されるのです」
中島さんは、日本の状況についてはこう疑問を呈する。
「子供を産んだ後、仕事を続ける環境が整っておらず、保育所の待機児童が山のように出ている現在の状況で配偶者控除をなくすのは、女性の社会進出の後押しよりも、少子化の後押しになってしまうかもしれない」
また、NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんも、「フランス型」の支援が有効だと提言する。
「国は、ベビーシッター利用者にきちんと補助を出す仕組みを作るべきでしょう。その代わりに国は、そうした補助を使えるベビーシッター企業に、きちんと届出と情報開示をさせる。そうすれば、ああした悲劇は防げたはずです」
※女性セブン2014年4月17日号