日本と韓国の現在の険悪な国民感情のきっかけになったのは2012年8月の李明博・大統領(当時)の竹島上陸だったが、この問題はまさに関係改善の試金石である。
日本人なら当然知っているように、竹島は古くから日本の漁師が拠点としていた無人島であり、少なくとも17世紀には江戸幕府が領有権を確認し、当時の朝鮮政府とは「鬱陵島は朝鮮、竹島は日本」という了解もあった。
そして韓国併合より前の1905年には国際法に基づいて日本政府が測量のうえ島根県に編入した。戦後、韓国は竹島を自国領とするよう要求したが、アメリカは「同島は1905年から日本領である」として拒否。
それに対して日本が主権回復する直前の1952年に、李承晩・大統領(当時)が独断で公海上に「李承晩ライン」を設けて竹島を韓国領だと宣言し、実力行使で奪ったのが歴史の真実である。
ところが韓国では、そんな単純な経緯すら子供たちに教えず、かわりに「独島(竹島の韓国名)は我が領土」と歌わせ、捏造した昔話まで使って自国民を洗脳している。韓国が「証拠」として教科書に載せている古地図は、鬱陵島と、その北東沖に隣接する小島「于山」を描いたものなのだが、「これが竹島の地図だ」と平気で嘘を教え込んでいるのである(実際の竹島は鬱陵島の東南東に90kmも離れている)。
日本人が嘘に腹を立てるのは当然である。しかし、彼らが嘘つきであることを理解せずに付き合えば、今後も軋轢は消えないだろう。このジレンマのなかで日本人に出来ることは限られているが、実は、韓国の困った国民性については世界が問題視し始めており、韓国内でも経済、社会、文化の不安要因になっている。
韓国の嘘がバレる日が近づいてきた今こそ、我々は「ざまあ見ろ」と罵るのではなく、正しい知識と歴史的事実、そして国際社会の常識を共有できる隣人となるべく手を差し伸べる包容力を見せるべきだ。
※SAPIO2014年5月号