4月3日、日本相撲協会は理事会を開き、公益財団法人に移行した新体制を担う親方衆の担当職務を決定した。
まず注目が集まったのは、次期理事長の座に最も近い、協会ナンバー2「事業部長」に誰が就任するか、である。北の湖理事長が指名したのは、八角親方(元横綱・北勝海)だった。
「ただ、これはあくまで既定路線で予測できたことだ。驚いたのは、貴乃花親方と九重親方(元横綱・千代の富士)の処遇だよ」(中堅親方の1人)
41歳の最年少理事に選ばれた貴乃花親方は、「広報部長」と並んで“協会ナンバー3”とされる「総合企画部長」(ファンサービスなどを担当)に就任。それと同時に、相撲を広める「指導普及部長」、協会員の素行に目を光らせる「生活指導部長」、八百長の監視に当たる「監察委員長」と、不祥事が起こった際に再発防止に努める「危機管理部長」のほか、相撲博物館の運営委員と、実に6つもの職務を担当するという重責を担うことになった。
その一方で、冷や飯を食わされたのは九重親方である。前体制では事業部長を務め、一時は次期理事長の筆頭とまでいわれながら、先の理事選でまさかの落選を喫し、監察委員の命を拝するのみとなった。これは、理事、副理事、役員待遇をも飛び越す「3階級降格」である。
角界関係者が語る。
「しかもよりにもよって、八百長をチェックする監察委員ですからね。現役時代、八百長疑惑を散々報じられてきた九重さんに、八百長を取り締まれなんて、ブラックジョークにもほどがありますよ」
※週刊ポスト2014年4月25日号