次の数字は、15歳(中学卒業)までに“あること”を経験する男性の率である。
◆1981年:約80%
◆1999年:約73%
◆2011年:約50%
急速な下落傾向を示すこの数字は一体何か。“あること”とは、「精通」のこと。すなわち、夢精かマスターベーション、セックスを経験しているかどうかを示している。日本性教育協会「第7回 青少年の性行動全国調査報告(2011年度)」によれば、中学卒業までに射精を経験しない男子が半数にも達しているというのだ。
十代の息子を持つ50代男性A氏はこう語る。
「一人っ子の息子は、いまだに妻と一緒にお風呂に入っている。中学入学の時に“そろそろ風呂は別に入ったほうがいいんじゃないか?”と妻にいったが、妻は“なんで? 順番を待ってるより効率的でしょ”と平気な顔。息子も異性を意識する年頃だからと話したら、“親子なんだからいいじゃない。そんなことを気にするあなたのほうがおかしい。いやらしい”と反論された。
自分の経験からいえば、子供のほうから親との入浴を嫌がりそうなもの。平気で入浴できる感覚がわからない。このままズルズルいって大丈夫なのか」
中学生になっても母親と入浴──最近、それは何もA氏の家庭だけに特殊なことではない。「町沢メンタルクリニック院長」で精神科医の町沢静夫氏は、「クリニックを訪れる親子からも最近、そうした事例を聞きました。近年は、男の子の性的な意識の希薄化がかなり進んでいると感じている」という。
※週刊ポスト2014年4月25日号