反日で盛り上がる韓国だが、韓国の反日団体として最も有名なのが、「サイバー外交使節団」とも呼ばれるNGO法人「VANK」だ。ネットを使った反日宣伝活動を主な目的とし、10万人近い会員を抱えている。
VANKは近年、中国での反日意識の啓蒙に力を入れており、昨年は中国を訪問し清華大学や北京大学でセミナーを開催。中国での反日意識の底上げを目指している。
今年になってからは、中国人の「反日」研修生を受けいれるインターンシップ制度までもうけている。韓国・聯合ニュース2月23日付によれば、1か月間にわたってVANKで研修活動を行なった中国南京出身の女性・チェンさん(19)は、中韓の歴史を学び、中国のウェブサイトの韓国関連のページの間違いを正す活動を行なうことで、「独島(竹島)」と「釣魚島(尖閣諸島)」の共通点を知ったという。チェンさんはこう語る。
「中国も韓国のように日本に侵略された悲しい歴史があり、現在も日本との領土紛争をしていますが、一般市民が直接行動に出ることはできていません。日本の誤った行動に論理的に対抗する韓国人たちがかっこいいです」(記事より)
ちなみに最近、VANKが制作した動画コンテンツが中韓の反日コラボ作品といえる『従軍慰安婦の少女、南京大虐殺の少女と出会う』である。
実際の抗議活動を行なう団体として韓国で最大の動員力を誇るのが、慰安婦支援団体の「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)だ。
「2011年12月に日本大使館前に慰安婦像を設置して話題になった団体で、毎週水曜に大使館前で『水曜定例会』と称した抗議活動を行なっている。平均200人前後、記念行事には1000人規模を動員する。挺対協には左派系の教員が多く参加しており、生徒たちを社会勉強の授業として定例会に参加させたりしている」(在韓ジャーナリスト)
挺対協は、海外でも活動を行なっている。昨年9月にはパリで「水曜定例会」を開催し、フランスの人権保護団体関係者らも顔を揃えた。挺対協の代表は「パリ市民や観光客の皆さん方に、元性奴隷の問題を紹介し、参加を呼びかけ、この問題の解決に向けてサポートいただきたい」と訴え、その模様はフランスのテレビ局などでも取り上げられた。
「実はこうした活動が、今年2月のフランス・アングレーム国際漫画祭で韓国政府の慰安婦作品出展につながったと見る向きもある」(フランス在住の日本人ジャーナリスト)
アメリカ・グレンデール市の慰安婦像除幕式にも、挺対協の代表が出席している。この挺対協と並んで勢いがあるのが、強制徴用訴訟をとりまとめる「太平洋戦争被害者補償推進協議会」だ。リーダー格の弁護士・張完翼氏は、中国で日本企業に対する強制徴用訴訟を担当する康健氏と並び称される「歴史専門弁護士」のカリスマで、中韓の強制徴用訴訟連携のまとめ役を担っている。
※週刊ポスト2014年4月25日号