みんなの党・前代表の渡辺喜美氏が化粧品大手「DHC」の吉田嘉明会長から受け取っていた「8億円問題」。検察関係者がいう。
「渡辺氏は、猪瀬直樹前都知事と同じように、個人的な借入金で“逃げ切り”を図ろうとしている。だが、渡辺氏は猪瀬氏の16倍もの大金を受け取った。猪瀬氏と同様の決着では、世論が許さない。国会閉幕後の6月、本格的に捜査に着手する予定だ。猪瀬氏とは違ったシナリオで捜査し、渡辺氏を追い詰めるつもりだ」
検察が渡辺氏追及の切り札と考えているのが、「政党交付金」である。政党助成法によると、税金でまかなわれる政党交付金は純粋に政治目的に使用されねばならず、借金の返済に当てることは禁じられている。
だが、渡辺氏の借金返済のタイミングに、疑念が生じているのだという。
「渡辺氏が最初に借りた3億円の返済を始めたのが、みんなの党本部に政党交付金2億5000万円弱が振り込まれた9日後。その後も政党交付金が振り込まれるたびに、渡辺氏は数千万円を返済している。渡辺氏は個人的な借入金の返済に、党の交付金を使ったのではないか。しかも、それは交付金の使途報告書に記載がない」(同前)
返済原資が政党交付金であれば政党助成法違反。公選法違反より重い刑だ。
「もし交付金に切り込めれば、他にも党代表の立場で交付金を好き勝手に使ってきた議員を追及できる。渡辺氏の件はその試金石になる」(同前)
特捜部の面目躍如なるか。
※週刊ポスト2014年5月2日号