韓国では、昨年まで生ゴミから出る廃水などの海洋投棄が制度として認められていた。全国の生ゴミ廃水の7割が海に捨てられていたという。処理費用が「陸上よりも9割安い」(韓国紙記事)ため、排出業者は海洋投棄を選ぶのだ。
投棄先は主に3か所あり、そのうちの1つはなんと竹島近海である。「美しい自然に溢れた独島を守ろう」と盛んに宣伝しておきながら、そのすぐ脇ではゴミ投棄に勤しんでいたのだ。これでは自然を守るどころではない。
市民レベルにも「汚しても平気」な感覚が蔓延っている。ゴミを投げ捨てることは当たり前で、実際に竹島には訪問客が捨てたゴミが散在している。その光景は夜のソウルの街中でゴミが散らばっているのと大差ない。
環境保護に対する鈍感さは社会全体に及んでいる。自然環境を守らない「愛国」や「領土保全」にどれほどの説得力があろうか。
※SAPIO2014年5月号