ゴールデンウィークの頃から、急激に増え始める紫外線量。気象庁発表の、紫外線が人体に及ぼす影響度をわかりやすく示すため、紅斑紫外線量を指標化した「UVインデックス」で、5~6月の累年平均値は5.1。「できるだけ日射しを避けた方がよい」とされる3を大きくオーバーしている。
美容に気を遣う女性にとって、今や冬でも日焼け止めを使うのは常識だが、紫外線量がますます増えるこれからの季節、汗で日焼け止めが流れることもあれば、ちょっとした外出や家事の合間に“うっかり日焼け”してしまうことも。そこで外側からだけでなく、内側からのUV対策にも注目。
“体の中から”の紫外線対策として、効果的とされる成分のひとつが「ポリフェノール」。ポリフェノールは植物に含まれ、渋みや苦みのもととなって、内側の種を紫外線や害虫から守る働きがある成分。人への効果としては、老化の原因でもある活性酸素を消去する、「抗酸化力」があることで知られている。中でも最近注目されているのが、『りんごポリフェノール』。
「さまざまな種類のポリフェノールがある中でも、りんごポリフェノールは苦みが少ないので、摂取しやすい特徴がありますね」と話すのは、料理研究家で薬剤師の資格も持つ吉田三和子さん。
昔から「1日1個のりんごは医者いらず」などと言われ、りんごが健康に良いことは有名だが、最近の研究でりんごは他の植物に比べて、ポリフェノールの抗酸化力が強いと確認された。素材1gあたりの抗酸化力を示すORACという値を比べてみると、ブルーベリー抽出物は4000~6000、ぶどう種子抽出物は6000、茶カテキンは1万だったのに対し、りんごポリフェノールは2万7000と圧倒的に高い数値を示した。
一般的に、人間は紫外線を浴びると体内で活性酸素が発生し、肌の老化を引き起こす。また、活性酸素が引き金となってメラニンが生成されると肌が黒ずみ、シミになってしまうことも。2008年に日本農芸化学学会で発表された調査結果では、りんごポリフェノールのシミ予防効果を測定するため、20~30代の女性65人を、りんごポリフェニールを摂ったグループと摂らないグループに分け、摂取スタートから2週間後に紫外線を当て、シミの濃さを測定。その結果、りんごポリフェノールを摂ったグループでは、明らかにシミの生成が抑制されていたという。
そんな美白・美肌にも、頼りになりそうなりんごポリフェノール、どんな摂り方が良いのだろうか?
「りんごには、ポリフェノールの他に、食物繊維やクエン酸、ビタミンCなど、美容や健康に役立つ成分が豊富。しかも最近では、年間を通じて手に入るフルーツのひとつですから、積極的に食べてほしいですね。
ちなみにりんごポリフェノールは、皮や皮下に多く含まれています。アンチエイジングや美肌を目指すなら、皮ごと食べるのがベター。また、ビタミンCが豊富な野菜やフルーツ、ビタミンEが豊富なナッツ類を組み合わせれば、抗酸化力がさらにアップします。りんごを皮つきのまま適当にカットし、レモン果汁、豆乳、くるみを加えてミキサーにかけた“りんごスムージー”は、朝食や小腹が空いた時のおやつ代わりにオススメです」(吉田さん)