他の人種・民族に寛容であることは先進国の第一歩である。韓国は英語教育に力を入れ、世界中に進出して「国際国家」を自認している。しかし実際には激しい差別が横行し、外国人には極めて住みにくい国になっている。
「データブック国際労働比較2013」によると2011年の韓国の登録外国人数は98万2000人、人口に占める割合は1.9%、労働力人口割合は2.2%だった(韓国統計庁は2013年5月時点の15歳以上の外国人の数を112万6000人と発表)。この割合はドイツ(外国人人口8.5%)など他の先進国と比べて極端に低い。日本も同程度に低い(外国人人口1.7%、労働力人口1.1%)が、それは日本が移民を受け入れない方針だからだ。
一方の韓国は2004年に企業が外国人の非専門職(単純労働者)を雇用できる「雇用許可制」を導入し、それ以降、移民や外国人労働者の受け入れに積極的な姿勢を見せてきた。いくら韓国が門戸を開いていても、一向に外国人が来ないのは、人種差別が激しく、外国人が住みたがらないからだ。
昨秋、韓国のたばこメーカー・KT&Gが、新製品「This Africa」(ディス・アフリカ)の広告とパッケージデザインを巡り非難を受けた。この商品はアフリカ産のたばこの葉が用いられており、アフリカの人々をチンパンジーに見立て、リポーターに扮したチンパンジーに「アフリカが来る!」とのキャッチコピーをつけていた。
国際団体「アフリカ・たばこ規制同盟」は強い反発を表明し、欧米メディアも「レイシスト」という見出しでこれを報じた。たばこメーカーは差別の意図はなかったと弁明している。
相手を動物に見立てて侮辱するのは韓国の常套手段である。2011年サッカー・アジアカップの日韓戦で、韓国人選手の猿を真似たパフォーマンスを記憶している読者は多いはずだ。
韓国は以前から国連人種差別撤廃委員会(CERD)に、国内に蔓延る人種・民族差別の是正を促されてきた。さらに2007年、「単一民族を強調することは、韓国に住む多様な人種への理解・受け入れに支障をきたす恐れがある」と名指しで懸念を表明された。
2013年5月15日付のワシントンポスト紙は、各国の社会学者による国際プロジェクト・世界価値観調査(World Values Survey)の統計をもとに81か国を他人種への寛容度でランク分けした。「隣人にしたくない人」との設問に対して「他の人種」と回答した割合を排他性の尺度としたところ、韓国は回答者の36.4%が「他の人種」をあげ、同紙は韓国が7段階中2番目に深刻な人種差別的なグループに属すると報じた。ちなみに同設問でアメリカは6.5%、日本は9.5%だった。
※SAPIO2014年5月号