米・カリフォルニア州の従軍慰安婦像、中国・ハルピンの安重根記念館など、韓国主導の“反日施設”建設運動が喧しい。
実は昨年10月、日本海に浮かぶ韓国・鬱陵島(ウルルンド)に新たな“反日”博物館がオープンしていた。「独島(竹島の韓国名)を朝鮮領と認めさせた」として、韓国人がヒーロー視する安龍福(アン・ヨンボク *注)の記念館である。
鬱陵島とはどんな島なのか。国防問題に精通する某大手紙の名物記者、金正太郎(かねまさ・たろう)氏が現地レポートする。
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鬱陵島は日本海に浮かぶ直径約10kmの有人島で、朝鮮半島からは約130km東、日本の竹島からは約88km北西の距離にある。
李氏朝鮮による空島政策(人々の渡航を禁じて事実上放置)時代が長く続いたが、明治期以降は日本人が入植して森林資源や漁業資源の開発を進め、本格的に人が住める島となった。
韓国併合後、日本領となり、1952年に発効したサンフランシスコ平和条約によって、済州島などとともに鬱陵島は韓国領となった。
現在、人口は約1万人で主要産業は漁業と観光。朝鮮半島からは東海、浦項など4か所から高速船が就航している。
日本人が鬱陵島に行くのは、時間がかかる上、精神的にも負担が大きい。ソウルからバスで4~6時間かけて日本海側の高速船のターミナルまで行く。
さらに券売所でチケットを買った瞬間、韓国海洋警察や船会社の幹部に別室へ“強制連行”される。かくいう私も別室に呼び出されて「お前の住所はどこだ。職業は何だ」「島へ渡る目的は何だ。独島に行くつもりか」「お前は政治家か? もしくは記者か?」と韓国語で約30分にわたって尋問を受けた。
「政治家」や「記者」の器ではないと判断されたのか、辛くも島行きのチケットを得たが、強引に帰りのチケットを買わされた。
2011年8月、新藤義孝衆院議員(現総務相)らが鬱陵島にある独島博物館の視察を計画し、金浦空港で入国拒否された騒動が影響しているらしい。
それにしても、今も鬱陵島に入る「政治家」と「記者」の炙り出しを徹底するのは、何かやましいことがあるのか。
【*注】伊藤博文を暗殺した安重根に次ぐ“抗日英雄”。江戸幕府に竹島を韓国領と認めさせたと伝えられている。
※週刊ポスト2014年5月23日号