体内にあるがん細胞は、ぶどう糖を栄養として消費し増殖する。炭水化物などは消化によって糖質に変わるが、食品中の糖分は消化の必要がないためエネルギーを使わないまま腸から吸収されてしまう。
「体が冷えると免疫の働きが低下し、がんが増加しやすくなるため、甘くて冷たいものは、がんが好む食事といえます。糖分の多いお菓子や飲み物などは、がんに餌を与えているようなものです」
と話すのは、『がんの嫌がる食事』(創英社/三省堂書店)などの著書がある、日本薬科大学学長の丁宗鐵(ていむねてつ)さんだ。
他にも高カロリーなものや糖分の高い果物、体を冷やす生野菜にも注意が必要だ。
「野菜は加熱すると栄養素が失われるといいますが、実際に体内への吸収率が高まるため、生で食べるよりも効果があると私は考えています。それと最近の果物は糖度が高いので、果物=ヘルシーと一概にはいえなくなっています。また、乳製品には糖分も油脂も多いので、乳がんの人は、控えたほうがいいでしょう」(丁さん・以下同)
突然食べたくなるもので、がんの予兆がわかる、と丁さんは言う。
「つわりのときに酸っぱいものが欲しくなるのと同じように、体内に、急に大きくなる何かができると、人間は嗜好が変わるんです。がんの場合はアイスクリームが食べたくなることが多いですね」
若い頃外科医だった丁さんが、がん患者の病棟に行くと、なぜか15時の回診時にアイスクリームを食べる人が多く、退院後、再発する人も多かった。だが、食べなかった患者は、再発していなかった。
「これではせっかくがんを取ったのに、また育てちゃったようなもの。漢方には、病気が欲しているから食べたくなるという考え方があります。疲れている場合なども甘いものが食べたくなりますが、急にアイスクリームが食べたくなり、それが毎日続くようならがん細胞が要求しているのかもしれません」
※女性セブン2014年6月5日号