本格的な人口減少とそれに伴う労働人口不足が現実のものとなり、自民党は本格的な移民受け入れ策を検討し始めた。2013年の国連の発表によると、世界の移民人口は2億3200万人(世界人口の3.2%)。それだけの人口が移動すれば様々な効果や軋轢が生じる。世界の移民事情はどうなっているのか。
経済危機に見舞われたスペインでは職がなく、移民の多くが他国へ流出している。昨年だけで移民人口は20万人減少した。スペイン政府は外国人の移住に積極的だ。しかし、その中身は労働力ほしさではなく、カネほしさだ。
昨年7月に富裕層外国人から資金を調達し、その見返りに滞在許可証を発行するという法案を可決した。たとえば50万ユーロ(約7000万円)以上の不動産物件を購入した外国人には、海外に残る18歳未満の子と両親にも滞在許可証が発行される。その結果、物件を買い漁る中国人富裕層が急増。法案が可決される以前に中国人はすでに約16万人(国立統計局、2011年)もいた。
最新の統計は未発表だが、それから劇的に増加したのは間違いない。彼らはスペインのレストランやバル、風俗店などを買収しビジネスを始めている。街の様相が変わり、スペイン国民は中国人を警戒している。
※SAPIO2014年6月号