夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回は寄せられたのは、広告代理店勤務のご主人(45歳)。奥様(48歳)との間には大学生と高校生の息子さんがいます。
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40歳を過ぎてから年々、髪の毛が薄くなってきました。心配で、シャンプーは毛が抜けないようにゆっくり丁寧にしますし、タオルで乾かす時も優しく拭くようになりました。今年のゴールデンウィークは北海道に旅行。目的地は増毛(ましけ)町の増毛厳島神社です。「カミさんが一緒なら、髪へのご利益も倍増するでしょ」と女房も同行しました。よくできた女房です。
ところが最近、ちょっと不信感が……。長男は僕に似ていて「ヤバイ! 遺伝的には僕、将来はお父さんみたいにハゲちゃうかも」。心配して、それまでかけていたパーマもやめて必死に毛髪ケアです。
一方、次男の方は「僕はママ似だし、ママの家系は皆、髪の毛フサフサだから大丈夫!」といってたのですが、ワイドショーで芸能人の父と息子のDNA鑑定が話題になると、髪の毛ではなく僕との父子関係が心配になったようです。
「僕はお父さんの子供じゃないかも。全然、似てないもん」。僕が冗談半分で「なんなら、DNA鑑定やってもいいぞ」というと、「何、いってんのよ、今さら! 絶対に鑑定なんかさせませんからね」。女房が激怒です。でも、なんでそんなに怒るんだ? ひょっとして何かやましいことでも……そう考え始めたら、ますます髪が抜けてしまう僕です。
※週刊ポスト2014年6月13日号