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日本 韓国から嫌われることはそこまで深刻な問題ではない

 日本政府観光局によると、韓国を訪問した日本人は韓流ブーム以降増え続け、2012年に351万人と過去最高を記録した。しかし嫌韓ブームが高まった昨年はうってかわって、274万人(21.9%減)と大幅に減少している。

 韓国にとって、日本に嫌われることは大打撃のようだが、日本にとっては、韓国に嫌われることはそこまで深刻な問題ではない。

 まずは経済面。2013年の日韓貿易の総額は947億ドルで、双方にとって第3位の貿易相手国だ。とはいえ、韓国との貿易で生まれる日本の黒字は253億ドルで、割合にすれば、全体の0.35%(2012年)に過ぎない。

 むしろ、困るのは韓国の方である。韓国のGDPに占める輸出依存度は48.5%、輸入依存度は46%。一方日本はというと、輸出13.4%、輸入14.9%という数字となる。日本という“お得意様”がいなくなれば、たちまち韓国経済は立ち行かなくなるのだ。

 韓国経済に詳しい経済評論家・三橋貴明氏の話。

「韓国が日本から輸入しているのは石油製品や自動車部品などの資本財で、それらを組み立てて輸出しています。そのため輸入がダメになれば輸出もダメになる。韓国経済が大打撃を被るというのは、こういうカラクリがあるのです」

 例えば、日本からの輸入に依存する半導体の生産ラインに欠かせない「レアガス」などは、韓国ではほぼ生産能力がない。こうした資本財を日本が輸出しなければ、サムスンなど韓国企業の生命線は断ち切られる。

 逆に韓国からの輸入品で多くを占めるのが「電子機器」で、そのほとんどがスマートフォンだが、

「別にサムスンのスマホがなくなっても、日本製のスマホに切り替えればいいだけ。その方が日本経済のためにもなります」(三橋氏)

 石油製品やプラスチック類などの輸入もあるが、こちらも代替が可能。食材や衣類など中国製品への依存度の高さに比べると、韓国の消費財への依存度は微々たるものだ。

 欧州危機などで「ウォン安」傾向だった為替は、2012年後半から「ウォン高」が進行。日銀の量的緩和政策で「円安」、「ウォン高」のダブルパンチで、韓国経済は低迷している。

「朴槿恵政権の『反日』の行き過ぎで、困るのは誰かを知っているのは他ならぬ韓国財界です。だからこそ、このところ、日本を利用するという意味の『用日』などという奇妙な言葉が、韓国メディアで使われるようになった。『反日』はまずい、でも『親日』は無理。頭を下げて普通に仲良くしようとはいえないために編み出された言葉ですが、こんなご都合主義に付き合う必要はありません」(三橋氏)

※週刊ポスト2014年6月20日号

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