困窮の果てに役所を訪れて生活保護の申請をするも、断られるケースが増えているという。
九州に住む31歳の斎田朱美さん(仮名)は昨年、夫の浮気が発覚して離婚。赤ん坊を抱えて家を飛び出したが、斎田さんの両親はすでに他界していて頼れる身内はいない。困り果てて役所を訪れた。
「子供は施設に入れたらいいでしょ。そしたら、いくらでも働けるんだから」
「そんな……」
「働いておカネを貯めた後に施設から出せばいいだけじゃない」
「子供のためにも私が面倒を見ながら、生活を立て直す方法を考えたいんです」
「だったら、なおさら子供を預けてダブルワーク、トリプルワーク(掛け持ち)してでも稼がないとね」
働ける人は「その能力に応じて働く」のが保護の前提になっている。「子供を施設に入れて働け」は、明らかに行き過ぎた発言だろう。
※週刊ポスト2014年6月27日号