世の中には、奇跡のような話が存在する。32才自営業の女性が学生時代に、窮地を救ってくれた猫との不思議なエピソードを紹介します。
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中学生の頃のことです。自宅に帰る途中に神社があり、そこは野良猫のたまり場になっていました。私は猫が好きだったのですが、団地に住んでいたので自宅では飼えず、その代わり、学校帰りに毎日、猫缶を持ってこの神社に通っていました。
野良猫は10匹ほどおり、性格も役割もバラバラ。人なつこい子もいれば、まったくなつかないのに餌だけちゃっかり持っていく子、リーダーなのか、面倒見のいい子などなど。私はそれぞれに名前をつけ、かわいがっていました。
ある時、いつものように神社に行くと、男子高校生数人が、境内でたばこを吸っていました。猫の姿もありません。私は急いで帰ろうとしたのですが、そのうちのひとりに、「なんで逃げんだよ」と怒鳴られ、囲まれてしまいました。
鞄をひったくられ「猫缶が入ってる。猫なんかよりおれたちにおごってよ」と、財布をとられてしまいました。正直、財布などどうでもいいから、逃げ出したかったのですが、囲まれていて動けません。すると、猫缶を持っていたひとりが突然、「イテッ」とうずくまりました。見ると、野良猫の“リーダー”が毛を逆立てながら、フーっと、すごい勢いで男子高校生を威嚇しています。他にも数匹の猫が威嚇しており、私でも怖いほど…。
「コイツ引っ掻きやがった」と、怒った男子高校生は、私の存在を忘れたように、猫を追いかけて行ってしまいました。おかげで私は無事帰宅。
数日後、猫缶を持って神社へ行くと、いつもの猫たちが出てきてくれました。男子高校生にひどいことをされていないか心配だったリーダーも無事で、いちばん多く餌を食べていきました。友人に話すと笑われるのですが、今でも猫たちが私を助けてくれたと信じています。
※女性セブン2014年7月3日号