韓国は日本に4年に一度の祭典でもいちゃもんをつけてきた。ブラジルW杯に先立って、韓国の徐敬徳・誠信女子大学教授が米ニューヨーク・タイムズ紙に「日本代表のユニフォームは旭日旗を想起させる」という意見広告を出し、FIFA会長らに「模様を削除させるべき」との書簡を送ったのだ。「旭日旗はナチス党旗のハーケンクロイツ(鉤十字)と同じ『侵略の象徴』だ」という批判である。
ホロコーストにつながるアーリア人(ドイツ民族)優越論の象徴である鉤十字と旭日旗は全く違っていて……という真面目な反論はさておき、そもそも日本代表ユニフォームの「どこが旭日旗?」と思った読者も少なくないだろう。
目を凝らしてよく見ると、左胸にある日の丸の下にあるエンブレムから放射状に線が広がっている。色のコントラストが少ないエンボス加工(型押し)だから、よほど注意して見ないと気づかない。そもそも日の丸とも直接関係ないデザインだ。
徐教授はユニフォームを提供するアディダスジャパンにも抗議文を送ったとするが、同社は「個別の抗議についてはコメントできない」とした上で、デザインの意味をこう説明した。
「コンセプトは『円陣』です。放射状に広がるラインは、試合前に円陣を組んだ選手がそれぞれのポジションに散っていく様子を表現しています。数えていただくとわかりますが、ラインは11本あります」
なお、旭日旗に描かれる光線は16条であり、今回のデザインとはもちろん無関係。あまりに出来の悪い難癖には呆れてしまう。
※週刊ポスト2014年7月4日号