連日各局で放送されているサッカーW杯ブラジル大会。残念ながら日本代表はグループリーグを突破できなかったが、初戦となったコートジボワール戦は46.6%と、今年最高の視聴率を叩き出し、テレビ局にとっては、相変わらずサッカー日本代表戦が超優良コンテンツであると証明した。ただし、ニュース番組の視聴率は、当然ながら日本の勝敗に大きく影響されるという。テレビ局関係者が話す。
「日本の初戦の15日は、ほとんどのニュース番組が日本代表を特集しました。しかし、数字が良くなかったんです。『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ系)は11.5%でしたが、通常は15%前後を出す番組。『サンデースポーツ』(NHK)も2時間スペシャルと気合いを入れてきましたが7.4%で、前週の10.8%を大幅に下回った。大概2ケタに乗せる『Mr.サンデー』(フジテレビ系)も、9%と伸びなかった。
理由は、『負けたから』という一点に尽きる。野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)のときもそうでしたが、負けたのを知っているのに、わざわざ見たくないのは当たり前の心理ですよね。
勝っていれば、視聴率はもっと高くなっていたはず。W杯の日本戦中継自体は、数字を稼げる鉄板中の鉄板ですが、その後のニュース番組は勝敗に明らかに左右されています」
ほとんどのテレビ番組が大会前から「グループリーグは突破できる」と伝え、初戦に敗れて可能性が低くなっても「まだ大丈夫です」と言い続けた理由はここにあるのだという。
「少しサッカーを知っている人なら、コートジボワール、ギリシャ、コロンビア相手にグループリーグを突破するのは、簡単ではないことだとすぐにわかる。それでも、テレビを通じて『相手が強豪ばかりなので、勝ち目はありません』といったら、視聴率は取れない。誰も、テレビ番組にそんな悲観的な予想を求めていないのです。
視聴者も『テレビはすぐに煽る』と批判するのではなく、『テレビとはそういうものだ』と認識したうえで見るほうがいいのかもしれませんね」(同前)