タクシーの車内では、乗客に悟られないように重要な情報が「暗号」として無線でやり取りされている。それを知れば、タクシー事情がより深くわかるはずだ。代表例をいくつか紹介しよう。
■「工事中です」
「○○交差点付近で工事中」といわれれば、“あ~、混雑しているんだな”と思うが、本当の意味は、警察による交通取り締まりが行なわれているから注意せよということ。
■「落下物に注意せよ」
突然、無線から「落下物注意」と流れ、慌てて窓から見上げる……ことはない。実はこれも「ネズミ捕り(自動速度違反取り締まり装置)があるよ」と伝え合う運転手同士の暗号だ。
■「大きな忘れ物」
「○○付近でご乗車のお客様の大きな忘れ物です。持ち主は紺のジャンパーで30代、小太りの男性のお客様で~」
この場合の「大きな忘れ物」とは、何とタクシーで逃走した容疑者を指す隠語。警察からの協力要請が無線で流される場合に使われる。
■「カバンの忘れ物」
もし、乗車中に運転手がおもむろに無線に「カバンの忘れ物です」と言ったなら、それはあなたが不審者と思われてしまったということ。「カバンの忘れ物」とは、不審者を乗せてしまった際、運転手が無線で出すSOSのサインなのだ。
※週刊ポスト2014年7月4日号