6月中旬、千葉県市原市で53才の男が女子中学生を連れ去ろうとして逮捕されたが、「わいせつ目的だった」と供述。2012年に警察が認知した強姦は1240件、強制わいせつは7263件となっているが、実際の被害はもっと多いと思われる。後を絶たない性犯罪だが、卑劣かつ狡猾な性犯罪者はどのような人間なのか。
東洋大学社会学部教授(犯罪心理学)の桐生正幸氏はこう語る。
「性犯罪者は、男性特有のホルモンが攻撃性を触発するという先天的な要因と、自己中心的な性格で他者への共感が欠けているという後天的な要因が複雑に絡み合っています。一般社会やネット上にあふれる男性中心の性の見方が女性蔑視を助長し、性犯罪につながることもある。普通の人が何かがきっかけで性犯罪者になることは充分ありえるんです」
御徒町榎本クリニックの精神保健福祉部次長・斉藤章佳氏は、性犯罪者の見た目は一般にイメージされるような「変態」や「気持ち悪い人」とは限らず、一般人と区別がつかないという。
「見た目は正常な人と変わらず、高学歴でキャリアのある人や医師や教師など社会的地位のある人もいます。凶悪な強姦魔に限っても、いかにも眼光が鋭く威圧的なタイプがいる一方、穏やかで知性的な優等生タイプもいます。むしろ優等生的な生き方に行き詰まり、誰も知らない『もう1人の自分』が出現して強姦を繰り返すケースは少なくない」
穏やかな表情の裏側に深い闇が広がっている。
「性犯罪者の根底には、女性への支配欲や征服欲がうかがえると同時に、性的な逸脱行動を自分勝手に理解して正当化する『認知の歪み』があります。相手は恐怖で動けないのに、『最初は嫌がっていても次第に気持ちよくなる』と思い込むのは最たるものです」(前出・桐生氏)
※女性セブン2014年7月10日号