韓国の慰安婦問題だけでなく、中国の南京大虐殺にしても朝日新聞の報道が海外に波及することで「反日世論」を増幅させていった経緯がある。実際、2月の記事は「日本の出版界で盛り上がる『嫌中憎韓』」として中国メディアで紹介された。日本のクオリティペーパーだと思われている朝日報道は、中韓メディアに引用されることが多い。
だからこそ報道への信頼性が求められるのだが、朝日では事実よりも主義主張を優先しているようにしか見えない。
従軍慰安婦報道を例にとるまでもなく、歪んだ報道は子々孫々までに大きな禍根を残す。たとえば、中国や韓国で歴史に関する博物館を訪れると、日本の大手紙の記事が掲げられていることがある。“日本人は自らの過ちを認めている”その証拠として、日本の新聞が使われているのだ。
中韓両国が国際的な宣伝工作を進めるなか、あらゆるイデオロギーを排して「真実」を報じることこそ国益に適うものである。それは朝日に限らず、全マスコミに求められる報道姿勢に違いない。
※SAPIO2014年8月号