野々村竜太郎氏(7月11日に兵庫県議を辞職)の不自然な出費で一躍注目を集めたのが「政務活動費」。自治体によって異なるが、経費枠として年間数百万円が交付される。実際、地方議員の財布はかなり恵まれている。
2013年の総務省の統計によると、都道府県議会議員の総数は2645人、一般議員の平均月額報酬は約79万円に上る。議長や副議長になるとそれぞれ平均95万円、85万円となる。ボーナス(期末手当)は議会によって違うがおおよそ月額報酬の3か月分だ。たとえば都議であれば月額報酬102万円、ボーナスを含めた年収は1600万円を超える。
政務活動費は「第2の給料」ともいえるものだが、さらに「第3の給料」まである。議会や委員会に出席した日数に応じて支払われる「費用弁償」だ。
都議会では本会議や委員会に出た場合に、23区内などに住む議員なら1日1万円、それ以外は1万2000円を支給している。交通費名目だが、実質的には日当だ。都議会の会期は年間80日前後なので、これだけで80万円の収入になる。
役得はこれに留まらない。都議会は全国最多の22台の公用車を持っている。議長、副議長のレクサスを筆頭に、自民、公明、民主の3会派の幹事長にもクラウンの専用車があてがわれる。一般議員も残りの17台を自由に手配して乗車することができる。
都議会事務局によれば自民4台、公明2台、民主1台の優先枠があるという。高級車で無料送迎されながら交通費名目の費用弁償1万円をもらうとはどういう理屈なのか。
●取材協力/若林亜紀(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2014年7月25日・8月1日号