岡山・倉敷で起きた小5女児監禁事件は「薄氷の救出劇」だった。大新聞は「5日間の執念の捜査が実った」などと報じているが、その岡山県警の捜査には“結果オーライ”では済まない疑問が残る。
倉敷市に住む小学校5年の女児を監禁していたとして藤原武容疑者(49)が逮捕されたのは、7月19日の深夜。
数日間にわたり「極秘で張り込み」(7月21日付産経新聞)していたが、実は“極秘捜査”は周辺住民にバレバレだった。容疑者宅の近隣住民が語る。
「7月19日の朝、藤原宅から少し離れた所にある駐車場に普段見ない車が2台駐まっていました。警察がマークしているような感じでした。その前日にも、同じような車がやはり藤原宅の近くに駐まっていました」
岡山県警は「容疑者を行動確認して、大量のお菓子を買い込んでいたことが決め手になった」としているが、その捜査員が周辺住民から“行動確認”されていたのである。
さらに事件発生から2日後の7月16日には警察官が架空の交通事故捜査を装って藤原容疑者に接触し、様子を窺っていたことが報じられている。
警察は事件発生当初から「現場周辺では不審車両が目撃されている」「シルバーの小型車で4桁のナンバーがわかっている」などと新聞に情報を漏らしていた。
その上で容疑者本人に接触したのだから、捜査の手が迫っていることに危機感を覚えた犯人が証拠隠滅を図ろうとして最悪の事態につながる恐れもあったはずだ。
普通の感覚でも警察官が訪ねてくれば自分が疑われていると気付くし、バレバレの張り込みが容疑者に見つかっていた可能性もある。
※週刊ポスト2014年8月8日