国内

ゼネコン各社 五輪施設の発注本格化で都庁OB採用積極化か

 2020年開催の東京五輪に向けて建設ラッシュが始まろうとしている。関連予算は1兆円を超すともいわれ、事業拡大で東京都庁OBの採用枠や天下り枠の拡大も予想されている。

 都庁OBにとって五輪利権の主役といえるゼネコンも有力な天下り先だ。スーパーゼネコン5社への天下り状況を見ると、2010年が竹中工務店(元都市整備局部長)と大林組(元建設局参事)、2011年は清水建設(元都市整備局部長など3人)、2012年には鹿島建設(元都市整備局部長)、2013年が大成建設(元下水道局建設部長)と大林組(元財務局建築保全部長)など、都の建設部門の幹部が“輪番制”で再就職している。

 元大林組課長で『談合業務課』などの著書があるノンフィクションライターの鬼島紘一氏がこう語る。

「ゼネコンが役所のOBを雇うのは発注工事の情報を取るためです。天下りがいるといないとでは有利さが全く違う。天下りにはいかに新しい情報を持っているか、元の部署に影響力が残っているかという新鮮さが求められる。役所のOBの賞味期限はせいぜい5年。そのくらいで新たな天下りと交替するわけです」

 東京都は昨年7月、五輪競技場の建設工事の一番手となる「武蔵野の森総合スポーツ施設」(近代五種の会場)の新設工事の1回目の入札を行なったが、応募がなかったために発注価格を大幅に上乗せして10月に再入札した。その結果、メーンアリーナ棟は竹中工務店JV(約105億円)、サブアリーナ・プール棟を大成建設JV(約73億円)が高値で受注した。

 これから五輪の競技施設工事の発注が本格化するだけに、ゼネコン各社は一斉に「新しい情報」を求めて次なる都庁OB採用に力を入れるはずである。

※週刊ポスト2014年8月8日号

関連キーワード

トピックス

田村瑠奈被告
「ゴムつけなかっただけで…」田村瑠奈被告が襲った被害男性の「最後の言葉」視界、自由を奪われて…【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
綱取りに挑む琴櫻と豊昇龍
《波乱の初場所》角界を知り尽くす94歳相撲ジャーナリストが見通す「琴櫻と豊昇龍が横綱同時昇進する唯一の条件」
NEWSポストセブン
2件の暴行容疑で逮捕、起訴されていた石野勇太容疑者(32)。新たに性的暴行に関する証拠が見つかり、3度目の逮捕となった
《独自》「いい孫だったんですよ」女児に不同意性交、男児には“しょうゆ飲み罰ゲーム”…3度目逮捕の柔道教室塾長・石野勇太被告の祖母が語った人物像「最近、離婚したばかりで…」
NEWSポストセブン
狩野舞子
《元女子バレー狩野舞子》延期していた結婚発表のタイミング…大谷翔平との“匂わせ騒動”のなか育んだ桐山照史とステルス交際「5年間」
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
〈舌と食道まで…〉「お嬢さんの作品をご覧ください」田村瑠奈被告の父親裁判で明かされた戦慄の“切除現場”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
韓国籍の女子学生のユ・ジュヒョン容疑者(共同通信)と事件が起きた法政大学・多摩キャンパス(時事通信フォト)
【法政大学・韓国籍女子学生ハンマー暴行事件】「日本語が上手くなりたい。もっと話したい」容疑者がボランティアで見せていた留学生活の“苦悩”
NEWSポストセブン
2025年初場所
初場所の向正面に「溜席の着物美人」登場! デヴィ夫人の右上に座った本人が語る「観客に女性が増えるのは相撲人気の高さの証」
NEWSポストセブン
ミャンマーとタイの国境沿いの様子(イメージ)
《「臓器売られる覚悟」「薬を盛られ意識が朦朧…」》タイ国境付近で“消える”日本人女性たち「森林で裸足のまま保護」
NEWSポストセブン
小室圭さん(左)と眞子さん(右)
小室眞子さんの“後見人”が明かすニューヨークでの生活と就活と挫折「小室さんは『なんでもいいから仕事を紹介してください』と言ってきた」
女性セブン
ビアンカ・センソリ(カニエのインスタグラムより)
《“ほぼ丸出し”ファッションに賛否》カニエ・ウェスト、誕生日を迎えた17歳年下妻の入浴動画を公開「彼なりの円満アピール」
NEWSポストセブン
販売されていない「謎の薬」を購入している「フェイク動画」(instagramより。画像は一部編集部にて加工しています)
「こんな薬、売ってないよ?」韓国人女性が国内薬局「謎の薬」を紹介する“フェイク広告動画”が拡散 スギ薬局は「取り扱ったことない」「厳正に対処する」と警告
NEWSポストセブン
中居正広の女性トラブルで浮き上がる木村拓哉との不仲
【全文公開・後編】中居正広の女性トラブル浮き上がる木村拓哉との不仲ともう一つの顔 スマスマ現場では「中居のイジメに苛立った木村がボイコット」騒ぎも
女性セブン