中国共産党・政府の高官を引退した老幹部5654人に対して、中国政府が支払った「年給」に当たる引退後の生活費などの総額が286億8200万元(約4700億円)にも上っていることが明らかになった。米国に拠点を置く中国情報専門の華字ニュースサイト「博訊( ボシュン)」が党中央組織部の最新統計として伝えた。
ネット上では、「習近平国家主席はぜいたく禁止キャンペーンで、国民に節約を強いておきながら、国費で引退幹部を養うために膨大な額の出費をしており、まさに矛盾している。即刻廃止せよ」との憤りの声が出ている。
中国では党最高指導部を形成する党政治局常務委員経験者や全国人民代表大会(全人代)委員長など最高幹部が12人、党政治局員や全人代副委員長、副首相、中央軍事委員ら一級幹部経験者は105人、大臣クラスに相当する引退幹部は5537人で、生存する引退高級幹部は全部で5654人。
政治局常務委員クラスだと1人当たり年間約5000万元が支給され、最高幹部経験者12人の総額は3億2600万元とされる。一級幹部105人への支出総額は6億7100万元で、1人当たりでは630万元。大臣級の幹部では1人当たり約500万元で、総額276億8500万元となり、これらの総額が286億8200万元となる。
ただ、これは例外がある。上海市長や台湾との交流窓口機関「海峡両岸関係協会」会長を務めた汪道涵氏の場合、今年3月で99歳となり、入院生活が長いこともあって、医療費だけで500万元が支出され、年額は全部で947万元と通常の2倍だ。
インターネット上では「中国は腐敗撲滅キャンペーンを展開しているが、これらの引退幹部の年金はまさに根拠のない賄賂みたいなもの。人民が汗水垂らして払った税金で賄われており、まさに不合理。かれら高級幹部の子弟はコネを利用して、多額の金を稼いでいる。まさに二重取りだけで、即刻廃止すべき」とのコメントが掲載されている。