佐世保の女子生徒殺害事件などもあり、「教育」に世間の関心が高まっている。いったいどのように子供を育てていけばいいのか。坪田信貴さんのベストセラー本『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の主人公・さやかさんの母親、美子さん(仮名。49才)が親の役割について語ってくれた。
* * *
ちょうど子供の下校時間に、学校から「今、学校付近で刃物を振り回している男がいるという情報があります」というメールが来たら、子供のことが心配になりますよね。無事帰ってきたら、ほっとしますよね。そうやって、子供が“いてくれている”ことを褒めることこそが、親の役割ではないでしょうか。
これは塾講師の坪田信貴先生が仰っていたのですが、多くの親は、DoingやHavingで褒めるそうです。例えば、お風呂を掃除したら(=Do)褒める、テストで100点取ったら(=Have)褒める。ここまでは誰でも褒めるんです。でも、無事、家に帰ってきてそこにいてくれる(=Be)こと、「ただいま」と言ってくれることに対して褒める人は少ないんだそうです。
でも、HavingもDoingも褒める必要はなくて、とにかくBeingを褒めればいいんです。私は自分が本当にダメな人間だと思っていたので、ちょっとしたことでも、心からそれができていた(笑い)。
娘は学校の成績がビリだった時、先生に「お前は人間のクズだ」と言われたことがあるんです。でも私は「ビリだからそれがどうしたの?」と思いました。実際には、娘は素晴らしいのだから、成績がビリだなんてどうってことない、そのままでいればいいという話をしたことがあります。
本当に素晴らしい子だとずっと思ってましたし、「髪の毛を金髪に染めて、不良だよね」という人には、「いやいや、不良ではないよ」と言ってきました。娘が私に黙っていたのはたばこのただ一度だけ。ずっとコミュニケーションも取れてきましたから。
※女性セブン2014年8月14号