中国の食品会社「上海福喜食品」で期限切れの鶏肉を使用するなど食品汚染問題が発覚し、改めて中国の食品に疑念が高まっている。
しかし、鶏肉以外にも危ない食品はまだまだある厚労省が発表している「輸入食品等の食品衛生法違反事例」の7月の最新発表分によれば、全63件のうち実に14件が「中国産」となっている。
たとえばあさりからは、基準値を超えるプロメトリンが検出された。除草剤などに含まれる有害物質で、大量に使用された除草剤が川から海に流れ出し、貝類に蓄積されたのではないかと見られている。
またハトムギや炒りピーナッツからはアフラトキシンが検出されている。発がん性のあるカビ毒として知られ、天日による乾燥が不十分な場合に発生することが多い。
2010年に中国で下水や残飯などから作られた「地溝油」と呼ばれるリサイクル油が大量に出回っていると報じられ問題となったが、このときに最も危険視されたのがこのアフラトキシンを多く含んでいたことだ。1974年には、インドでこの物質に起因する急性中毒事件が発生し、106人が死亡している。
さらに生食用の冷凍アワビスライスや冷凍真イカソーメンには大腸菌群が確認されている。生鮮たまねぎもチアメトキサム(農薬)が基準値を超えていた。
それらを使用した食品に「中国産」と明記されていれば、消費者は口に入れるのを避けることもできる。しかし産地が隠されている食品は日本国内で数多く流通している。
たとえば外食チェーンのサラダや冷凍食品のかき揚げに含まれるタマネギは中国産であることが多い。おつまみの柿ピーナッツは、ピーナッツが中国産でも柿(おかき)が非中国産であれば原産国表示が不要になる。中国に詳しいジャーナリストがいう。
「これらはほんの一例です。原産地が多国籍化し、加工が複雑化していることから、知らず知らずのうちに中国産を口にしてしまうことになる」
※週刊ポスト2014年8月15・22日号