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高1殺害 容疑者の父「自分に責任ない」とアピールの可能性

 長崎県佐世保市で発生した高1女子生徒殺害事件。7月31日、逮捕された同級生のA子(16才)の代理人が一連の報道を否定し、A子が「父親を尊敬している」「再婚には賛成だった」などと話しているということを公表。

 続いてA子の父親が、8月4日、代理人を通じてA子と再婚相手のB美さんが実家で交流していたことを明かし、B美さんとともにA子の言動について精神科医やカウンセラーに継続的に相談していたことなど、事件前後の経緯を時系列とともに説明した文書を発表した。

 これらについて多くのコメンテーターが疑問を呈していたが、フラクタル法律事務所の田村勇人氏もそのひとり。

「これらの目的は、第一に父親は悪くないと世間にアピールすること。そして第二に、遺族に対する賠償責任が父親にないことの暗示をしたかったのだとも考えられます。なぜなら、被害者や遺族への反省や謝罪がないなかでこういった行動をするのは、裁判になったときに加害者の不利になるので、弁護人はまずこういったことはしません。

 それでもあえて踏み切ったことに、“父親と犯行とを切り離したい”という意図がうかがわれます。

 賠償責任の点については、未成年の子供が犯罪を犯した場合、父親の子育てや指導注意不足に犯行との因果関係が認められると、父親の賠償責任が問われますから、“父親のせいじゃない。少女が独自に犯した犯罪だ。だから彼に法的責任はない”と暗に示したかった可能性も否定できません」

 損害賠償請求に詳しい『デイライト法律事務所』の宮崎晃氏はこう見る。なお、《父親は妻が亡くなった後、娘を籍から抜いて、祖母と養子縁組した》という情報も本誌は確認している。

「今回加害者は、精神鑑定の話も出ていますが、もし精神障害のため責任能力を欠くと判断された場合、刑事で無罪となっても民事で賠償責任が認められることがあります。その場合、監督義務者が責任を負う義務があり、基本的に親となります。

 A子の場合、2月に祖母と養子縁組をしているため、父親と祖母が、加害者とどの程度密接なかかわりを持っていたかによりますが、監督責任は父親にあると考えられます」(前出・宮崎氏)

※女性セブン2014年8月21・28日号

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