海水浴場のマナーやモラルの低下が止まらない。7月13日、北海道小樽市で海水浴帰りの女性4人がひき逃げに遭い死傷。運転していた容疑者は事故前に海岸で飲酒しており、「朝から飲んでいた」と供述した。
さらに、7月26日には、神奈川県葉山町にある葉山御用邸の敷地内に侵入したとして慶應大学の学生が逮捕された。学生は朝から近くの海水浴場で酒を飲んでおり犯行当時は泥酔状態だったという。
2012年の夏には神奈川県警藤沢署の110番出動がひと夏で500件を超えた。湘南地域ではこうした騒音や泥酔など治安の悪化を防止するため自治体が次々と規制を強化している。昨年7月に海水浴場で殺傷事件まで起きた神奈川県逗子市では、今年3月、ついに「音楽・飲酒禁止」などを盛り込んだ条例の改正に踏み切った。
同市の平井竜一市長は新聞のインタビューで、「ライブハウスやクラブ形式の海の家が増えたことで、酒を飲んで騒ぐなど、周辺地域に迷惑をかけるような人々を呼び込んでしまった。湘南らしさとは迷惑をかけてまで海を楽しむというものではない」と説明した。
こうした厳しい規制をかけなければいけないほど、日本の海水浴場は様変わりしてしまった。
混雑する砂浜では、所狭しとビーチパラソルやシートが広げられている。その混雑にまぎれて本能をむき出しにする若者たちがいる。
「家族4人で神奈川県内の海に行ったときのこと。少し前の方にパラソルを立てて座っているカップルがいたんです。最初のうちはお互い日焼けオイルのようなものを塗りあったりしてたんですが、途中からキスし始めた。ふたりで倒れ込んだと思ったら、彼氏の方が彼女に覆い被さったんです。明らかに“始まった”という感じ。見たくないけど、自然と視界に入っちゃう。なんだかこっちが恥ずかしくなっちゃうし、中学生の娘の目に入らないよう、その場を離れました」(都内在住の50代女性)
岩場や車の陰でこっそりSEXに興じる若者も多いが今や公衆の面前で堂々と交わってしまうのだ。それだけではない。
「海水浴場を離れてもずっと水着でいる女の子が多い。商店街なんかも水着で歩くから目のやり場に困ります。駅に行く途中の駐車場で水着を脱いで着替える子もいて…息子には見せたくないですね」(逗子市内に住む30代女性)
そんな若者たちの大胆すぎる行動が“二次災害”を呼んでいる。
「女性の水着写真や着替えの瞬間を撮る盗撮事件が後を絶たないと聞きます。今は、高性能カメラや、スマホでも音の出ないアプリなどもあって盗撮が簡単にできるらしいですね。取り締まりもなかなか難しいんでしょう。こっちもなにか怪しい動きだな、と思っても注意する勇気もない。娘には自分の身は自分で守るよう言い聞かせています」(湘南エリアをよく訪れる40代女性)
※女性セブン2014年8月21・28日号