『胎内記憶』という言葉を聞いたことがあるだろうか。胎内記憶の第一人者で産婦人科医の池川明さんはその定義についてこう話す。
「胎内記憶とは、母親の胎内にいた時や出産時の記憶です。千人規模の調査を実施したところ約3割もの子供に胎内記憶があることがわかりました」
子供たちへの聞き取り調査を続け、たくさんの事例が集まるうちに、胎内記憶にとどまらない、生まれる前の記憶の存在までも、多数報告されるようになった。
「子供たちの中には、母親のお腹の中に入る前、つまり、前世の終了時から受精までの記憶がある子が多数います。われわれはこれを『中間生記憶』と呼んでいます」(内池川さん・以下同)
この中間生記憶は、細部が異なっていても、大まかな共通点があるという。
「“生まれる前は雲の上にいて、どのママにするか、お友達と眺めていた。やさしそうなママだったから選んできた”といったもので、ほかにも、“神様や天使のような存在に守られていた”、“きょうだいと出会った”などがあげられます。いずれの場合も、必ず語られるのは、子供が母親を選んで生まれてきているということです」
さらに池川さんは、中間生記憶を持つ子供に、「なぜ生まれてきたの?」という問いかけをする。ここにもまた、共通の答えがある。
「ほとんどの子が、“人の役に立ちたかったから”と言うのです。人の役に立ちたいというのも、この場合、まずは母親を指すことが多いようです。
それは、“ママが悲しそうだったからママに笑ってもらいたかった”という言葉で表されることもあります。母親の役に立ったら、ようやく自分や他人のための人生が歩めるのだそうです。最近は特に、“世の中をよくするために”という使命感を持つ子が多いのが特徴です」
※女性セブン2014年9月4日号