底堅い展開が続いている日本株だが、これから上がる株はどこにあるのか。いま市場が注目しているテーマと、沸騰期待の個別銘柄について、フィスコ取締役・中村孝也氏が解説する。
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人手不足が深刻化し、求人情報の掲載需要が拡大しているが、今後も人手不足が簡単に解消されるとは思えないので、「人材」関連は脚光を浴びそうだ。そうした中で、人材派遣および業務請負を手がけるウィルグループ(東証2部・6089)は、2015年3月期第2四半期業績予想を上方修正し、業績拡大が顕著だ。
最大の特徴は、同社の正社員が派遣スタッフとともに派遣先に就業する、「ハイブリッド派遣」と呼ばれる派遣サービスにある。正社員が一緒に勤務し、現場のマネジメントを行なうことで、派遣スタッフの士気が高まり、業務効率も高まる。スタッフ増員の際にも競合他社より早く対応できる。この派遣スタイルが顧客に高く評価されており、今後も高い成長が続くと見ている。
また、2012年末以降のアベノミクス相場の株価上昇に伴い、現在はM&Aを実行するリスクが高まっているが、それ以前にM&Aを成功させた銘柄の中には、大化けが期待できるものもあるだろう。
例えばこれまで多くのM&Aを成功させて成長してきたあいホールディングス(東証1部・3076)。今後もM&Aを重要戦略と位置づけ、手を緩めない。同社は、ブレのない明確な方針と素早い経営判断が強みだ。
現在は防犯カメラを中心とするセキュリティ機器、情報機器、カード発行機、建設設計が4本柱。中でも、売り上げの約3割を占めるセキュリティ機器は、東京五輪や防災の観点からも中期的に需要増が確実視される。2015年6月期通期業績予想を中間決算時に上方修正したように業績は好調で、株価の上昇余地は大きいと見る。
※マネーポスト2014年秋号