デング熱の猛威が大きな話題になる一方、日本各地のドラッグストアでは、殺虫剤や虫よけスプレーが品薄状態。
大手チェーンの『マツモトキヨシ』では、例年、首都圏で売り上げが減る9月に殺虫剤関連商品の需要が増えた。殺虫剤メーカーの『フマキラー』は8月下旬から広島の工場で殺虫剤の増産を始めたという。
しかし手当たりしだい買えばいいというものではない。蚊の専門家で、害虫防除技術研究所の白井良和氏がこう指摘する。
「虫よけには“ディート”という成分が有効で、各商品に配合されているんですが、この濃度に注目するといいでしょう。日本では12%までと薬事法で決められていますが、ヒトスジシマカはディート濃度5%程度でも近寄ってこないデータもあります。肌の弱い人や子供は、薄めの虫よけを使うほうがいいでしょう」
スプレーをするときの注意点はむらがないようにすること。
「スプレーをシューっとした後、手のひらを使ってまんべんなく伸ばしてあげるといいと思います。また、効果の持続時間が最長5時間という商品もありますし、雨や汗も大丈夫という商品もありますが、それでも薄まると思うので、1、2時間ごとに塗ったほうがいいですね」(前出・白井氏)
また、熱帯医学に詳しい東京医科大学名誉教授の藤田紘一郎氏からはこんな提案も。
「蚊は、ゼラニウムやレモングラス、ユーカリ、ペパーミントなどのにおいが嫌いです。虫よけスプレーが手元にない場合は、そういったにおいのハンドクリームを代用するのも効果が期待できます」
ちなみに蚊取り線香には、ディートよりも強力な天然ピレスロイドという成分が配合されている。しかも煙が出る分、効果が高く、「最強の蚊よけ」との呼び声が高い。デング熱の流行地帯であるタイやフィリピンでは、日本の蚊取り線香が大人気だという。
※女性セブン2014年9月25日号