朝日新聞出身で、燃え上がるような真っ赤な服がトレードマークであることから永田町では「レッド松島」と呼ばれている松島みどり・法務相。新大臣が発表された9月3日はやはり真っ赤なドレス姿で、5人の女性大臣の中でもいの一番に首相官邸に駆けつけた。
そんな初入閣の意気込みが暴走したか、法務省である事件が起きた。同省関係者が明かす。
「大臣が初登庁した途端、激怒して『帰る』と出ていってしまったんです」
役人がよほど怒らせることをしたのだろうか。
「初登庁を拍手で出迎える職員の人数が少ないことに怒ったようです」(同前)
霞が関では、新大臣が初登庁する際には職員らが建物入り口付近に並んで拍手で迎えるのが慣例だ。この日は初閣議や記念撮影、官邸での会見を終えると夜9時を回っていた。それからの初登庁だけに、職員が少ないのも当然だったのだが。突然激怒された役人はたまったものではない。
「幹部が慌てて謝りに行き、出迎え直しました。なんとかその後の予定に遅れを出さずに済みました」(同前)
新大臣は就任早々、“政治主導”を進めているようだ。別の関係者が語る。
「局長たちに『私の会見のビデオを部下に見せるように』と訓示しました。もちろん新大臣の考え方を知ることは大切ですが、そうした指示をされることはあまりなかったのでみんな戸惑っています」
所属する町村派内では「東大出身らしく何でも器用にこなす」と評される松島氏。その一方で、国土交通副大臣だった2008年の参議院予算委員会では、委員長の制止を無視して答弁を続け、物議を醸したことがある。自らの政治信条をメモも見ずに滔々と述べる姿は勇ましき「レッド松島」の面目躍如だったが、当時の鴻池祥肇委員長からは「予算委員会を冒涜している。今後の出入りをお断わりしたい」と異例の出入り禁止を言い渡された。
松島氏に聞くと、法務省秘書課が代わって回答した。
「一度帰ったのは事実です。が、怒ってはいません。省内の連絡が徹底できず、申し訳ないことに迎えの者がいなかった。それで時間調整のため気を遣って、一度帰ったということです」
周囲にはその「気を遣った姿」が怒ったように見えたのか。
※週刊ポスト2014年10月3日号