朝日新聞をはじめ記者クラブに加盟する新聞・テレビは政府官公庁に記者を常駐させている。しかし、朝日が過去の慰安婦記事を一部取り消したことで、「取材先から『国益を損ねた』と取材協力を拒否されるケースが続出した」(朝日記者)。そこでこの夏、朝日の幹部らが一部の省庁幹部に対して検証記事の意図や事情などを説明して回った。
本誌はその際に朝日幹部が説明した内容を某省がまとめたメモを入手した。
それによると、検証記事をこのタイミングで掲載した理由として、「若手記者からの批判や不満が抑えきれなくなってきていたこと」や「社長らの国会への証人喚問の可能性もあり、それを避けたかったこと」などが挙げられた。
さらに朝日幹部は、朝日を批判する新聞や雑誌など複数のメディアを挙げ、こういう内容の説明をした。
「誤報を認めた部分以外をメディアから攻撃されたら、朝日の紙面で反論するだけでなく、積極的に提訴する方針だ」
その中で月刊誌『SAPIO』や産経新聞などを名指しして、「朝日が訴えたらそれらのメディアはひとたまりもないだろう。彼らは取材力が劣っているからだ」という主旨の発言があった。朝日の驕りと勘違いは救いようがない。
※週刊ポスト2014年10月3日号