警戒レベル1の御嶽山がいきなり噴火し、大きな被害をもたらした。専門家でも予知が難しいといわれる火山の噴火だが、当然“次の噴火はどこなのか”との心配も囁かれることとなる。琉球大学名誉教授(地震地質学)の木村政昭氏がこう語る。
「東日本大震災以降、日本列島の北部を支える北米プレートとその南のフィリピン海プレートの境界に、太平洋プレートの圧力が強くかかっています。今回、御嶽山が噴火したのは、フィリピン海プレート境界への太平洋プレートの圧力が強くなっていることが原因です。
そして、このフィリピン海プレート境界のすぐ北側にあるのが、富士山なんです。当然、太平洋プレートによる圧力は富士山にも影響しているはずです。私は、現時点ですでに富士山は活動期に入っていると見ています」
今回の御嶽山の噴火は、来る富士山の噴火時期が近づいた可能性を示唆しているというのだ。
「われわれは今、富士山が噴火した際のシミュレーションを徹底的にして、しっかりとその日に備えなければいけないのです」(前出・木村氏)
内閣府の富士山ハザードマップ検討委員会の想定によれば、富士山が噴火した場合、噴石等の直撃による死傷者の数は最大1万3000人にのぼり、100km以上離れた東京にも2~10cmほど火山灰が降り積もるという。
また、溶岩や火山灰によって通行不能になる道路は最大1万4600km、1日あたり515便の飛行機が運航停止となる。停電は108万世帯に及び、その被害総額は2兆5000億円にものぼるそうだ。避難者の数も膨大だ。
「今年2月に、静岡、山梨、神奈川の3県による『富士山火山防災対策協議会』が出した報告によれば、もし富士山が噴火した場合、火山灰の堆積による家屋倒壊から逃れるため、合計47万人の避難が必要になるというシミュレーションを発表しています」(全国紙記者)
※女性セブン2014年10月16日号