「日本に来てからずっとヒデに頼りっぱなしでした」
イタリア北部、ベネト地方出身のロザンナさん(64才)。音楽デュオ・「ヒデとロザンナ」として、『愛の奇跡』などのヒット曲がある。当時、日本在住は22年を超えていたが、日本語の読み書きがあまりできず、3人の子供の学校の手続きもすべて夫のヒデ任せ。そのヒデが病気で倒れて仕事はストップ。なのに入院費用など、お金は出ていくばかりだった。ヒデを見送った時、貯金は尽きていた。
「故郷のイタリアに帰るしかないといったんは帰国したんですが、甘かったですね。父から“よく考えなさい”と言われたんです。そこに私の居場所はありませんでした」(ロザンナさん・以下「」内同)
39才のときに夫のヒデが47才で亡くなってから1年。ロザンナさんはタレントとして日本で復活することを決める。
「泣き暮らしていたから、まぶたは腫れてて悲惨な顔になっていました。でも近所のブティックのママは赤いミニスカートをすすめるんですよ。おそるおそる鏡を覗くと、“40才のミニの女”はけっこうイケていた。ネイルもしてみたら、ああ、私、まだ女じゃんって幸せな気持ちになりました。復帰の準備をしながら、少しずつヒデなしで生きていく覚悟ができたんですね」
ロザンナさんは現在、歌手だけでなくイタリア料理研究家として活躍。忙しい日々を送っている。
「ヒデはもうこの世にはいないけど、私の心の中にはいる。だからお墓参りして、私より先に花が供えられていたりすると、“ほかの女から!?”と頭にきて、“どういうことよ”と、写真に向かってケンカするんです(笑い)」
大ヒット曲『愛の奇跡』の中の「ティアーモ~」(愛しています)は、まだまだ続行中だ。
※女性セブン2014年7月10日号