星ではなく、時が照明する名店をご紹介。歴史の教科書にも載り、誰もが知っている人物が訪れた名店はいまなお老舗の人気店。機会があれば行って味わってみたいもの。
今から約200年前、徳川11代将軍・家斉(いえなり)の時代に創業した『うなぎ やっこ』。江戸発祥の料理として知られるうなぎの蒲焼を創業当時から扱い、日本でも指折りの歴史ある店として名高い。
ペリー来航の前後にこの店で舌鼓を打ったのがジョン万次郎と勝海舟で、この2人は連れだって、この店を訪ねたという。とりわけ万次郎にはこんな逸話も残っている。
「子孫のかたから聞いた話ですが、万次郎さんはうなぎを食べた時、わざと残していつも折詰にして持ち帰っていたらしいのですが、それは当時、恵まれなかった人たちに分け与えるためだったそうです」(店主・矢野昌宏さん)
蒸してから備長炭で焼くという江戸スタイルは万次郎らが食していた当時から変わらない。
【うなぎ やっこ】
住所:東京都台東区浅草1-10-2
営業:11時半~20時45分
定休日:水(祝を除く)
※女性セブン2014年10月23・30日号