日本の急速な少子高齢社会とともに、ペットの寿命も延びている。愛犬の老いとどう向き合うべきなのだろうか。
「自身が高齢になり、愛犬の介護が重なると大変なのは確かです。1つの方法として老犬介護施設はあってもいい。ただ、施設については判断基準がないので、飼い主さんがしっかり見極めて選ぶしかないのが現状です」
そう話すのは、赤坂動物病院副院長で獣医師の柴内晶子さんだ。施設を選ぶ際は設備や料金、清潔度はもちろん、「最期までみてくれるのか」「獣医師との連携はどうなっているのか」「獣医師による定期的な健康チェックはあるのか」「ケアの体制はどのような形か」などが重要という。面会や施設の情報開示などが充分になされているかも確認したほうがいい。預けた場合はこまめな面会を心がけたい。
もっともいくら優良なホームであっても「犬にとって最大の苦痛は家族と一緒にいられないこと。飼い主が元気なら最期までみてあげることがベスト」と柴内先生が言うように、老犬ホームを利用する前にまずは家でできる手段がないかを考えてみよう。
柴内先生がまずすすめるのは、「健康診断」だ。犬種にもよるが、悪性腫瘍などができやすくなる7才を超えたら、こまめな定期健診を心がけよう。犬の7才は人間の年齢に換算すると50才手前の中年世代。動物は老化のスピードが早いだけに、「年2回は受けてほしい」と言う。
※女性セブン2014年11月6日号