巨人はまさかのクライマックス・シリーズ4連敗で阪神に敗れ日本シリーズの出場権を失った。4試合の総得点がわずか9だったことを見れば敗因は明らか。打てなかったからだ。
惨敗後、原監督はシーズン終了の報告に読売新聞本社を訪れ、白石興二郎オーナーから「来年は頑張っていこう」と慰められたが、ファンやOBの落胆と怒りは収まりそうにない。広岡達朗氏もその1人だ。
「巨人ベンチは、各打者に打てるよう細かくアドバイスをしていたのだろうが、その時点でダメ。打撃というのは、打席に入ってから頭で考えるようではすでに遅い。
昔は打てなくなったら、日本シリーズ中だろうが多摩川に行って打ち込み、文字通り“開眼”するまで練習したものです。あのONですらそれをやっていた。要はゲームに入る前の準備ができていなかったということです」
広岡氏は「日本シリーズだけが悪かったのではない」としてこう続ける。
「リーグ優勝できたのは他のチームが勝手に転んでくれたからにすぎない。3割打者が1人もおらず、チーム打率がリーグ5位という惨状でしたからね。これを何とかしようと、原監督は144試合で113通りものオーダーを組んだ。これが大きな間違い」
1番から9番まで、打者にはそれぞれの役割がある。しかし、打順が日替わりとなってしまっては各自の役割が定まらない。
「4番として獲得した選手を下位で使うのは、“お前は打てなくてもいいよ”といっているようなものですよ。
監督は4番として獲得した選手には4番を任せ、打てなくなったら辞めろといえばいいだけ。やり繰りを続けたのは、監督の自己満足でしかない。これじゃ選手に責任感が芽生えません。
監督が監督なら選手も選手ですよ。中軸を打つべき打者なのに7番を打てなんていわれたら、自分から辞めるくらいのプライドを持ってやってほしい。
今年の巨人がまともにやっていたら、10ゲーム差以上のぶっちぎりで優勝を決めていたはずです。来年こそはオーダーを固定して巨人本来の野球を見せてもらいたいものです」
※週刊ポスト2014年11月7日号