「あの黒光りが気持ち悪い」「カサカサカサ…という不気味な動きが無理」など、夏に私たちを散々苦しめたあの嫌~なやつが、秋も深まり姿を見せなくなったと油断していませんか? 実はこの時期にも、ゴキブリはあなたの周りの物陰に潜んでいるんです。動きの鈍くなったこの時期に手を打たないと、来年また大変な目に。
この時期の努力が来年のやつらとの戦いを左右する。そこで、『ゴキブリ取扱説明書』(ダイヤモンド社刊)の著者の青木皐(あおき・のぼる)さんと、ゴキブリの生態に詳しいアース製薬広報室の野崎秀之さんにゴキブリの基礎知識を聞きました。
【ゴキブリ殲滅作戦】
●巣はないが群れて暮らす
ゴキブリはアリのように定住する巣は持たない。
「集団を維持・形成する『集合フェロモン』を分泌し、一族と違うゴキブリもあわせて物陰や下水管のなかなどに群居します。その居場所がいっぱいになると別の場所を探します」(青木さん)
●夜になると動き出す
基本的に夜行性で午後11時半~午前0時頃を過ぎると動き出す。
「もしも、午後8時頃に現れたら、家にゴキブリが多くいるあかし。居心地のよい隙間が他のゴキブリだらけになり、居場所がなくイヤイヤ出現したと考えられます」(青木さん)
●時速170kmで走る
ゴキブリを退治しようとしたが、素早い動きで逃げられたという人は多いはず。
「普段はノロノロと動くゴキブリですが、反射神経が発達していて危険を察知すると俊敏になります。そのスピードは秒速85cm。体と移動距離の比率を人間に当てはめると時速170kmになります」(青木さん)
●寿命は短い
約3億年前から地球に存在しているゴキブリは生命力の強さで知られるが、寿命は意外と短い。
「チャバネゴキブリの寿命は1年ほど、クロゴキブリは2年ほどです」(青木さん)
●1匹見つけたら500匹?
メスのクロゴキブリは一生に15~20回、チャバネゴキブリは3~7回産卵する。卵は「卵鞘」というカプセルに入っており、1つの卵鞘からクロゴキブリ22~28匹、チャバネゴキブリ30~40匹の幼虫が生まれる。
「計算上はクロゴキブリのメス1匹で一生の間に500匹程度の生殖能力があります。つまり、1匹見かけたら500匹いるかもしれず、放置すると増え続ける可能性がある。だからこそ、1匹でも見つけたら積極的に駆除しましょう」(野崎さん)
※女性セブン2014年11月13日号