中国では「反日」はもはや日常風景の一部。大した信念など露も無く、お祭り気分か、はたまた話題作りのために行なう反日行為が目立っている。
例えば南京では、上半身裸の女性の身体に「保釣(保衛釣魚島=釣魚島を守れ)」の文字とともに、中国国旗や尖閣諸島をボディペインティングするイベントが開催された。反日を隠れ蓑にすれば、きわどいアートも許されるというわけである。
日本政府が尖閣国有化を行なった2012年秋以降は、各種日用品に反日メッセージをプリントしたグッズがブームに。「釣魚島、中国的(釣魚島は中国のもの)」と書かれた反日マスクは大気汚染も手伝って購入者が続出した。
1枚3元(約54円)の布製で、これであのすさまじいPM2.5から身を守れるのかは甚だ疑問。愛国心をすかさず商売にしてしまうスピードには脱帽である。
●写真/西谷格(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2014年11月14日号