秋になったらゴキブリもいなくなると思ったら大間違い。涼しくなってからも、家の中でひっそりと物陰に隠れているのだ。そこで、この時期にできるゴキブリ対策について、『ゴキブリ取扱説明書』(ダイヤモンド社刊)の著者で、30年以上ゴキブリを研究する青木皐(あおき・のぼる)さんと、ゴキブリの生態に詳しいアース製薬広報室の野崎秀之さんにお話を訊いた。
●段ボールに要注意
「段ボールに付着した幼虫ゴキブリを荷物と一緒に自宅内まで“搬送”するケースが多い。箱の中身を家の外で取り出し、できるだけ段ボールは屋内に持ち込まないようにしましょう」(青木さん)
●柑橘系の果物を置く
侵入を防ぐ手は他にもある。嗅覚の鋭いゴキブリは柑橘系のにおいが大の苦手だ。
「柑橘類に含まれる成分『d-リモネン』がゴキブリに効果を発揮します。レモンの果汁を数滴、水に混ぜて吹きつけるとゴキブリは動けなくなるほど。部屋の隅にレモンの皮やミント、ハッカなどハーブ類を置くと効果的です」(青木さん)
柑橘系の芳香剤でもOKだ。
●家具と壁の間を15mm空ける
青木さんがゴキブリの好む隙間を調査した結果、クロゴキブリは13mm、チャバネゴキブリは8mmを最も好むことが判明したという。
「家具を壁にぴったりくっつけても、隙間はどうしても生じます。家具と壁を最低でも15㎜ほど離すと、ゴキブリの大嫌いな風と光を取り込むことができ、ゴキブリにとって心地よい居場所をなくせます」(青木さん)
「風攻め」にするのもグッドだ。
「ゴキブリは風が嫌いです。好みそうな場所に扇風機などで定期的に風を送る方法も有効です」(青木さん)
●殺虫剤を使うなら「くん煙剤」
この時期のゴキブリは暖かい隙間に集まる。
「冷蔵庫の裏側など、人の手が届きにくい場所に集まります。この時期のゴキブリは活動が低下し食欲はさほどないので、『毒餌剤』を使用するよりは、部屋の隅々まで薬剤が行き届く『くん煙剤』が効果的です」(野崎さん)
ゴキブリの卵は「卵鞘」と呼ばれる硬い殻で覆われたカプセルに入っており、くん煙剤が効かないので注意が必要だ。
「気温にもよりますが、一般的にゴキブリの卵は2~3週間でふ化します。一度くん煙剤を使い、卵がかえる2〜3週間後にもう一度使用すると一斉に退治できます」(青木さん)
この時期の努力が来年のやつらとの戦いを左右する。さっそく対策を!
※女性セブン2014年11月13日号